Seika's Blog

声楽家 川口聖加による音楽のこと、日常のこと

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もうすぐ来日する歌手アナイ・ベルクさんのこと

今月16日に専属ギタリストのジェフリー・ブリーン氏と初来日して、我が家に滞在してもらいながら山梨県内で5つのイベントに出演していただく歌手のアナイ・ベルクさん。

CG12.jpg


彼女は、オランダ時代の私の親友でもあります。出逢いは音楽院入学1年目の初期のころ・・・オランダは学生用住居が不足していて見つけるのが大変なんですが(私も見つかるまでに40件もの不動産をはしごしました)、初対面で話しているうち、彼女が部屋探しに苦労して見つからないということで「じゃぁ見つかるまで私の部屋に泊まっていいよ」とその日から2週間ルームメイトとなった時から始まります。さすがに私だって、初対面の人を誰でも家に泊める性質ではないのですが、彼女には不思議な安心感を抱いたのでした。私のオランダ初期なんてそれこそ片言の英語しか話せませんでしたが、それでも毎晩たくさんたくさん話をしました。生い立ちや恋愛、祖国のこと、宗教から政治のことまで。それからというもの、本当に仲良くさせていただいていて、私がオランダから日本帰国する際も号泣。彼女が住んでいたマドリッドに3年前に遊びに行ったときは、再会した瞬間に彼女が号泣。熱いハートを持っていて、人を平等に見ることができ、少女のようでお母さんのようでもある、そんな彼女が、人として大好きな私です。

山梨でのメインイベントは今月23日(土)14時~コラニー文化ホールリハーサル室で行われるコンサート「ラテン・ソングス」。民族衣装に身を包んだベルクさんがラテンアメリカのフォークソングを解説付で歌うコンサートで、休憩中はお茶とベルクさんお手製メキシコ菓子が無料で試食できるほか、数種類の珍しいお手製メキシコ菓子も販売します。一般は2,000円、高校生以下は1,000円です。他にも世界無形文化遺産であるメキシコ料理のレッスン(山梨県内3会場、現在18日のみ空きがあります)と25日(月)18時~私も歌う立食ディナー付コンサートも残席5席ほどあり、受付中です。

素敵なアナイ・ベルクさんに会いに来てください♪
お申込み、お問い合わせは
ナーブル音楽企画ホームページ
から、お気軽に・・・どうぞ宜しくお願いいたします。


〚おいしいラテン・フェスタ レクチャー付きコンサート「ラテン・ソングス~メキシコとスペインの古い歌・新しい歌~」〛
 2013年2月23日(土)開場13:30 開演14:00 コラニー文化ホール・リハーサル室
◆出演:アナイ・ベルク(メゾソプラノ)、ジェフリー・ブリーン(ギター)、川口聖加(解説)
◆演奏曲:グラナダ、ベサメ・ムーチョ、ボレロ・マンボ、マラゲーニャ 他
◆料金:一般2,000円 高校生以下1,000円(お茶とメキシコのお菓子付き)

〚おいしいラテン・フェスタ 「アナイ・ベルク ミニ・コンサート&ディナー」〛
 2013年2月25日(月)18:00~食事(立食)19:00~コンサート ファンタン・ラトゥール(山梨)
◆出演:アナイ・ベルク(メゾソプラノ)、ジェフリー・ブリーン(ギター)、川口聖加(ソプラノ)、藤巻都(ピアノ)
◆演奏曲:猫の二重唱(ロッシーニ)、ハバネラ 他
◆料理メニュー(予定):ポンデケージョ(ブラジル)アランチーニ(イタリア) セビーチェ(ペルー) コシニア(ブラジル)エンチラダス(南米) パエリア(スペイン) ポテトケーススモークサーモンとハーブ(フランス)
◆料金:5,000円(立食ディナー料金とコンサート料金含む)

〚おいしいラテン・フェスタ 「アナイ・ベルクによるメキシコ・スペイン料理レッスン」〛
 2013年2月18日(月)10:00~13:30 ナチュラルテーブル(山梨県甲斐市島上条3069)残り5名
 2013年2月20日(水)10:00~13:30 ナーブル音楽企画 ホームキッチン(山梨県甲府市城東4-7-17)満席
 2013年2月21日(木)10:00~13:30 クッキングスタジオ「シフォン」(甲府市蓬沢1-4-3)満席
 料金:参加費3,500円(材料費込み)
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  1. 2013/02/10(日) 13:30:45|
  2. Musician(音楽人)
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金丸夏奈子さんという伝説

メゾソプラノ歌手の金丸夏奈子さん。
今週9月4日、41歳という若さで天に召されました。

かなこさんは、ミュージカルやオペレッタなどを歌うときは姿城夏奈という芸名で、クラシックを歌うときは本名の金丸夏奈子でステージに立ってきました。

私とかなこさんの出会いは今年1月に山梨県主催の「出会いわくわくコンサート」での共演でした。昨年夏にガンと診断されて、しばらく入院をした後の、彼女にとっては復帰第1弾の記念コンサートでした。

ただのクラシック歌手ではなく、ミュージカルも踊りも勉強されていたし、ステージについてこだわりが強くて、打ち合わせの時から、そういうかなこさんの強い信念に惹かれました。

私の自宅での、初めての合わせ。
「前みたいな力強い声が出ないの」と言うかなこさんに、伴奏の小野惠子さんは「大丈夫、かなこちゃんは大きな病気を経験して、今までと違う歌が歌えるんだから自信持って」と言われていましたね。私は病気をしてからのかなこさんの歌しか知りません。十分ヴォリュームのある声だと思いました。かなこさんの歌に対する私の印象は「芯のある歌」。まさにかなこさんが最期まで「歌いたい」と願い続けた、本当に歌うことを愛していた気持ちがそのまま歌から感じられたのだと思います。

初めての合わせの後、二人きりになった時、かなこさんが私に「とても良い声ですね。外国人が歌ってるみたい」と言ってくれたのがお世辞でも嬉しかったのを思い出します。私はかなこさんと話しているのがとても楽で、それは二人の相性というよりもかなこさんの人間性だったと思っています。

今日はかなこさんの出演も予定されていた、甲府カトリック教会での「祈り」コンサートでした。かなこさんは写真としてステージ中央に飾られ、共演者の小野惠子さんとチェリストの有泉芳史さんがかなこさんのレパートリーを演奏し、追悼コンサートとなりました。

コンサートの直前に御堂内がほぼ真っ暗になり、ピアノとチェロの音色が聞こえてきた時、その音には邪念が一切なく感じられ、今まで聞いたことがないくらい純粋な音楽そのものを聞きました。

私はまだかなこさんがこの世に生きていないことがあまりにも信じられませんでした。だからかあまり涙が出ませんでした。ただ写真になって飾られているということは事実のようでした。

用事があって途中で退席しなければなりませんでしたが、私が最後に聴いた曲、小野惠子さんが編曲したラフマニノフの作品の途中から、ブワーっと涙が一気にこみ上げました。かなこさんのことが悲しかったからか、演奏が素晴らしかったからか、音楽そのものがそうさせたのか良く分かりません。それに理由は一つではないかもしれません。でも、人間として生まれてこういうものに感動できて本当に幸せだと思いました。

コンサートは始めから私が退席するまで(きっと終わりまで)静かで温かな祈りに包まれていました。

私が今、死んでも、たぶん誰もこのような追悼コンサートはやってくれないでしょう。お互いにとって大切な存在である人たちがかなこさんの周りには何人もいました。それを当事者の人たちがみんなちゃんと気がついていました。本当に素敵なことです。

そんなかなこさん生き様を思うと私は一体何をしているんだと言いたくなります。いろんなことがかなこさんよりずっと足りていないけれど、それでも私は私の歌をこれからも歌い続けるのだな、と思うのです。

先週から今週にかけて、なぜか私の頭に、かなこさんの歌う「祈り」の冒頭部分が、かなこさんの声や歌いまわしで聞こえてきて、ぐるぐる何度も回っていました。何となく気になって、かなこさんと親交が深い小野惠子さんにメールをしてみたりしました。今思うと、とても不思議な気がします。かなこさんの人生最期の歌は先月末に病院コンサートで歌った「祈り」だったそうです。

かなこさんにとって私は、人生のほんの一瞬すれ違っただけかもしれないけれど、私にはとっても大切なことを教えてくれました。
かなこさん、ありがとうございました。
どうか安らかに眠ってください。
  1. 2007/09/08(土) 00:47:36|
  2. Musician(音楽人)
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Felicity Lott

lott-felicity-8.jpg昔はそれほど注目しなかったのだけれど、最近この人の魅力(特に若い頃の録音)に惹かれます。英国出身で、近年、叙勲で貴族の称号であるDame(男性の場合のSir)を得ています。母国語の英語をはじめ伊・独・仏語のオペラおよび歌曲に幅広いレパートリーを持ち、特に仏語は、若い頃に通訳をしていたということで、訛りのない美しい発音と定評があります。確かに、ドイツリートも美しいですが、たまに物足りなさを感じ、歌い方もフランスものの方が合っている気がします。オペラは何といってもカルロス・クライバーがほれ込んだ元帥夫人役(「ばらの騎士」)。実は、昔に一瞬観ただけで、悲しいかな、記憶が薄いです。。今観れば、だいぶ感じるところがあるでしょう。若い頃はそのお姫様のような容姿と美しい声で、もてはやされました。ただし容姿も声も綺麗だったりすると、綺麗な部分だけが目立っちゃって、かえってパッとしない、ということもあります。私はずっとそんな印象だけで彼女を見ていたのですが、最近じっくり録音を聴いてみると、確かに素晴らしくて、唸りました。安定してるし、レガートもきれいだし、言葉やフレーズの処理とかとても美しいです。そんなロットも60歳になるんですね。でもまだまだ精力的な活動をしているようです。最近もフランスで「人間の声」(プーランク作曲)のツアー中で、評判も上々のようです。

さて、私の中の歌手フェリシティ・ロットの印象は、とても品があって、かつチャーミング。彼女の品の良さは英国出身と関係しているでしょうか?そういった品の良さ、チャーミングさ、スマートさ、温かさなど、、、演奏者がステージにスックと立っただけで、その人間性はにじみ出ます。作ったら、きっと作ったように見えてしまうでしょうし。何万といる演奏家は上手下手だけでは勝負できないとつくづく思います。大切なのは作品であって作曲家や詩人であるのは間違いないけれど、媒体となる演奏家の個々としての価値があるからこそ、良い作品が次の世代に繋がれていくわけで。。それはきっと事実だと思うから、私も一人の演奏家としてだけでなく、一人の人間としても存在価値を高められるよう、試行錯誤しつつも頑張っていこうと思います。

ロットの印象を表す最適な写真が見つからず、とりあえず一番近いものを選んでみました。だいぶ前の写真になっちゃうのかな?
  1. 2007/03/25(日) 22:27:56|
  2. Musician(音楽人)
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