Seika's Blog

声楽家 川口聖加による音楽のこと、日常のこと

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大震災関連コンサートについて考える

東北関東大震災から1か月近くが経とうとしています。
最近は停電になる日も減り、震災直後の大混乱に比べれば、こちら山梨では日常を取り戻しつつあります。
直後はホールから演奏会中止をお願いされたり、そうでなくても気持ちだけでは開催ができない状況でしたが、少しずつ積極的に演奏会を再開していこうという流れになってきました。
そんな中、チャリティー(被災地に収益を寄付しよう)という形で行われる演奏会が増えています。

私はチャリティーを表に掲げた演奏会を主催するということに、実は乗り気でないことを前回書きました。
一方、周りでは意欲的に、意志をもってチャリティーコンサートを企画する友人もいて、その意志に賛同できる場合は喜んで出演しようと決めました。また自分が出演しないチャリティーコンサートも、良さそうだと思うものは聴きに行くことを楽しみにしています。

ここからは、色々な方が様々な意見、立場があるということを認め、踏まえつつも、大震災関連のコンサートに関して私が思ったことを綴りたいと思います。「なぜあなたはチャリティーコンサートを企画しないのですか」「すれば良いのに」と言われたことがあったので、その理由を書きたいと思います。

チャリティーということは、基本的にはギャラなしで、経費その他も全て関係者が負担して、残った利益全てを寄付に回すというケースがあります。遠い開催地だとしても、交通費も宿泊費も辞退してください、というものもあります。演奏で生計を立てている者としては、なんでもかんでもチャリティーになって、それを受け入れるのが世間的にも当たり前で期待されているのは困ることです。生活が出来て、その中で少しでも援助ができれば良いわけで、援助する立場の者の生活ができなくなったら本末転倒です。

一方「プロだからチャリティー(ギャラをもらえない)コンサートには出ません」という立場にも疑問があります。プロだからお客様がチケット代を払ってくれるのです。寄付のためだからといって、アマチュアにお金を払ってくれるわけではありません。

サッカーの試合を一回開催するだけで2000万円集められるようなチャリティーなら意味がありますが、チャリティーが目的なのに参加者の負担があまりに大きいなら、そんなコンサートならやらずに、その負担分を寄付したほうがずっと良い、というのが個人的意見です。「チャリティー」というタイトルを掲げてしまうなら、形だけで終わらせず、自己満足で良しとせず、その目的をきちんと達成するべきです。

演奏会の評判が安定している超有名人や超一流の演奏家であれば、こんなことを書く必要はないかもしれません。チャリティーと銘打つコンサートで、その人の演奏も聴けるし、さらにチャリティーに協力もできるなら、というお客様が集まってきても良いですものね。しかし、私の立場は少し違うと思っています。自分がそういうコンサートをわざわざやることが、どれだけ有益かを考えてしまうのです。

あまり気負わず、自分の出来る範囲で普段通りの演奏会を真面目にやって、そこから、たとえば「利益の10パーセントを寄付します」というコンサートをひたすら続ける、というのなら理解できます。チャリティーという大きな看板を掲げず、チャリティーという目的でお客様を集めず、お客様も聴きにきて初めてそのチケット代の一部が寄付されることを知る、で良いと思っています。

そして、もう一つ。今回の震災関連コンサートで「祈り」というタイトルのものを頻繁に目にするようになりました。私はタイトルの『祈り』にものすごく違和感を感じました。私にとっての『祈り』は、今回の場合何かを考えましたが、私の場合、今のところ『死者の冥福を祈る』ということ以外思いつきません。そうなると、今、まだ瓦礫の下で発見されていない方々が大勢いるなかで、冥福を祈ってしまうのは勝手だし、まだ早すぎるし、祈るのは二年後とかで良いと思いました。『平安を祈る、平和を祈る』もピンと来ません。私は、今回のことは、きっかけは天災ですが、人災が全くなかったと思っていません。大勢の誠実な関係者を除き、組織として、勇気を持って正しい舵取りをするべき立場の政府、官僚、東電、そして、今の日本を作ってしまった自分にも大きな憤りを感じています。その場しのぎの思いつきで行われ続けている政策、安全性に欠ける無秩序で無計画な町づくりは改善の兆しが見えません。少なくともまだ祈る気分になれません。「癒し」という言葉も私にとってはまだまだ遠い言葉です(そもそも「癒し」は結果的に与えられるもので、最初から「癒し」を目的として演奏するようなコンサートは昔から反対の立場です)。

生きている奇跡に感謝し、物資も環境も整い、自分の生きている証しである、本分である演奏活動が普通に出来ることに感謝し、その本分を全うすることが第一だと思っています。

そんな風に色々書いた後で、私が出演するチャリティーコンサートを宣伝させていただきます!友人のソプラノ歌手、前原加奈さんが演奏仲間に呼びかけて実現したチャリティーコンサートです。チャリティーだから、震災関連だから、と特別なことに重きを置きすぎず、普段通りやって、良いコンサートにします!

ミュージックスタジオ~AMORE~チャリティーコンサート(仮タイトル)
2011年5月29日(日)14時開演(予定)
会場:Oasis del Sogno-夢のオアシス-(山梨県甲府市朝気2-1-1)
チケット代:未定
出演:前原加奈(ソプラノ)、川口聖加(ソプラノ)、有泉芳史(チェロ)、小野惠子(ピアノ)、海野綾子(ピアノ)、高田圭(ピアノ)、有泉悠子(ピアノ)、子供トリオ(ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)

どうぞ宜しくお願いいたします。
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  1. 2011/04/06(水) 12:42:02|
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